壁が黄色く変色している。天井付近が何となくもやーと暗い洗面所のタオルを外したら、壁に黒い染みが。
実はこれ全部、壁紙の汚れです。今回は、壁紙に広く使用されているビニールクロスのお掃除についてご紹介します。
ビニールクロスを綺麗!掃除の4ステップとコツを紹介
1)ビニールクロスにも種類がある?素材や生地の違いとは?
壁紙の中でもビニールクロスは、価格が安く、品質も安定していて耐久性もある事から、広く利用されています。
塩化ビニール樹脂を主な素材とするビニールシートに、紙などを裏打ちしたものがビニールクロスです。
表面を色々加工する事が出来、凸凹をつけたエンボス加工や発砲させたもの、柄や模様をプリントしたものなど様々な種類があります。
ビニール製で扱いやすく掃除もし易い事から普及しましたが、吸湿性や通気が悪い、ホルムアルデヒトを発生しアレルギーを起こすなどマイナスな点もありました。
最近ではそれらの欠点を克服した、機能性クロスが数多くあります。
(1)消臭機能
表面に加工された消臭剤がタバコや生活臭を吸着させ消臭できるクロスです。
(2)防カビ・抗菌機能
表面に防カビ剤や抗菌剤を加工したクロスです。
(3)吸放湿機能
紙おむつにも使用される高分子ポリマーを表面に加工する事で、水分を吸収し乾燥してくると放湿するクロスです。
(4)防汚機能
表面に特殊なフィルムをラミネート加工する事で汚れが落としやすくなっているクロスです。
(5)表面強化・スーパー耐久性機能
破れや傷に強い加工を施したクロスです。
その他、蓄光機能のあるクロスやマイナスイオンを発生するクロスなどもあります。
2)どんな汚れが付く?ビニールクロスの主な汚れの5種類とその特徴
ビニールクロスにつく汚れは、主に5種類あります。
(1)タバコのヤニ
タバコの煙から出たヤニが、クロスに付着する事で黄色く変色します。
(2)手垢・ほこり
よく人が触る電気のスイッチ周辺は手垢汚れが特につきやすい場所です。また、天井付近などにはホコリが溜まりやすいです。
(3)食べ物の汁や油のはね汚れ
台所やダイニングなど食事を作ったり食べたりする場所には、どうしても油や食べ物の汁が飛び散りやすいです。
(4)クレヨンや油性マジック、ボールペン
小さなお子さんのいるご家庭では、遊びに夢中になって落書きされてしまう事があります。これらは全て油性の汚れです。
(5)カビ
洗面所やトイレなど、水回りの壁に発生します。
3)事前準備を!ビニールクロスの掃除に準備したいアイテム5選
(1)セスキ炭酸ソーダ
手垢汚れなどを落とすのに効果があり、粉末を水で溶かして使用します。ホームセンターやドラッグストア、100円均一ショップで購入できます。
(2)無水エタノールまたは消毒用アルコール
カビの殺菌に使用します。ドラッグストアやホームセンターで購入できます。
(3)奇麗な雑巾・毛先の柔らかい歯ブラシ
汚れを拭き取ったり、擦り落とすのに使います。特に雑巾は汚れたら洗ったり交換するので3、4枚は用意しましょう。
歯ブラシは、クロスの表面を削り落としたりしないためにも毛先の柔らかいものの方がお勧めです。
(4)スプレーボトル
セスキ炭酸ソーダの溶液や、エタノールを吹きかけるのに使用します。ホームセンターや100円均一ショップで購入できます。
4)掃除の手順とは?ビニールクロスの掃除の4ステップ
(1)ステップ1:壁に溜まったホコリと手垢汚れを落とす
壁のもやーっとした汚れは、全てクロスに溜まったホコリです。掃除機の吸い込み口をタオルで覆って、気になるところを掃除機がけしましょう。
タオルで覆う理由は、ビニールクロスを傷つけたり剥がさないための保護と、乾拭きする効果もあります。
これだけで、目立つ汚れの70%は落ちます。次は、スイッチ周辺などの手垢汚れの掃除です。手垢汚れなどはセスキ炭酸水で落とします。
500ccの水にセスキ炭酸ソーダを小さじ1杯入れ、よく溶かしたらスプレーボトルに移したらセスキ炭酸水の出来上がりです。
セスキ炭酸水を汚れの気になる箇所にサッとスプレーしたら2、3分おき、きれいな雑巾で汚れを叩き拭きします。
雑巾が汚れたらぬるま湯であらって、取り替えましょう。擦って拭き取ると、クロスの凹凸が剥がれたりよれてしまいますので擦らないようにしましょう。この作業で、大体の汚れは落ちます。
(2)ステップ2:ビニールクロスについたヤニ汚れ・食べ物の汁や油汚れを落とす
手垢汚れ同様にセスキ炭酸水で落としますが、液体のたれスジできれいな部分を汚さないために、汚れ部分にキッチンペーパーを当ててその上からスプレーするようにします。
3分ほど置いてからペーパーを外し雑巾で叩き拭きします。拭いても落ち難いようでしたら、柔らかい歯ブラシで軽く擦ると落ちやすいです。
(3)ステップ3:クレヨン・ボールペン・油性マジックの汚れを落とす
まず、ヤニ汚れ落としと同じ手順で掃除します。それで落ちきらない場合は、歯磨き粉を歯ブラシにつけて軽く擦ると落ちやすくなります。
ボールペンの汚れは、結構しつこいので、1回で落ちなかったら、日を改めて何回かやってみて下さい。また、消しゴムを使うと落ちるそうですので、試してみて下さい。
(4)ステップ4:カビ汚れを落とす
カビによる汚れは、これまでとは全く手順が違います。まず、マスク・メガネ・ゴム手袋を用意しましょう。
カビは、人体に有害な細菌ですので、殺菌してから掃除することになります。殺菌にはエタノールのようなアルコールが素早くクロスにも負担かけずに出来ます。
強いアルコールは刺激が強く、皮膚につくと傷つけますので、保護するためにも、カビを飛散させないためにもマスク・メガネ・ゴム手袋をつけてから作業しましょう。まず、エタノール・水を7:3の割合で溶液を作ります。
その溶液をスプレーボトルに移し、ヤニ落しの要領でキッチンペーパーにエタノールを噴きつけカビ汚れに貼付けます。そのまま5分置いてからペーパーを取り、カビ汚れを歯ブラシでなでるようにゆっくり動かしながら落とします。
歯ブラシを動かしていくとカビのかすがぽろぽろ落ちてきますので、これを掃除機で吸い込みます。掃除機は、カビレベルの粒子が排気口から出ないサイクロン方式などがお勧めです。
最後に、換気扇をまわしたりドライヤーの冷風を使ってクロスをよく乾燥させましょう。
5)要注意!ビニールクロスの掃除で注意する3つのこととは?
(1)強く擦らない
ビニールクロスの汚れは落ちても、クロス自体がぼろぼろになっては本末転倒です。汚れ落としの拭き掃除は叩き拭きが基本です。また、歯ブラシを使う時も力を入れすぎず軽く擦ったり叩くようにしましょう。
(2)クロスのつなぎ目に注意
クロスとクロスのつなぎ目に水分が入るとビニールクロスが剥がれる原因になります。
(3)除光液や漂白剤は使わない
サインペンやボールペンの汚れは1度ではなかなか落ちきらないので、除光液や漂白剤なら早くきれいにできるかもしれないと、使いたくなると思いますが、クロスを痛めたり跡が変色してしまう事もあるので、極力使わない方が良いでしょう。
また、しつこい汚れを水だけで落とせるメラミンスポンジもクロスの凹凸を削ってしまいますのであまりお勧めできません。
6)日々のメンテナンス!ビニールクロスを綺麗に使うコツとは
(1)普段のお掃除はハタキで
ビニールクロスは凹凸の加工がされホコリが溜まりやすいものが多いです。ハタキを使ってホコリを落とすようにしましょう。
ハタキがない場合、使い古しのストッキングを針金ハンガーに結びつけてハタキのようにする方法もあります。静電気がホコリを吸い付け取り除きます。
(2)月に1度掃除機で掃除
掃除機のブラシ付きノズルを使って掃除しましょう。
7)買い換えるなら!選び方のポイントや相場とは?
(1)最近のオススメビニールクロス
内装リフォーム会社の売れ筋ランキングからご紹介します。
・リビング・ダイニング用人気ランキング1位
サンゲツ リザーブ1000 process#100 RE-2537
エンボス加工が施された石目調の白無地クロスです。相場価格は1メートル400円前後ですです。
・キッチン用人気ランキング1位
サンゲツ リザーブ1000 GRAPHIC WALL RE-2424
レンガの目地をドットで表現した陰影が特徴のクロスです。さらっとしたマットな手触りです。相場価格は1メートル400円前後です。
・寝室・プライベートルーム用人気ランキング1位
サンゲツ リザーブ1000 石・塗り・タイル RE-2561
シンプルな無地クロスできらきらとしたラメがアクセントです。相場価格は1メートル300円前後です。
・トイレ用人気ランキング1位
サンゲツ リザーブ1000 フィルム汚れ防止・抗菌 RE-2924
四角形が整列したデザインをエンボス加工したシンプルなデザインのクロスで、防汚・抗菌タイプです。相場価格は1メートル300円前後です。
・洗面所用人気ランキング1位
サンゲツ リザーブ1000 石・塗り・タイル RE-2589
タイルのように見える小さいドットが入ったパターンのデザインが特徴です。相場価格は1メートル300円前後です。
・和室用人気ランキング1位
サンゲツ リザーブ1000 珪藻土 RE-3070
小さな凸凹の石目調デザインでベージュ色のクロスです。珪藻土が練り込まれているので吸放湿、不燃性に特化しています。相場価格は1メートル300円前後です。
(2)選び方のポイント
壁紙を選ぶ時は、それぞれの部屋の役割や部屋ごとの雰囲気を考えて選ぶと良いでしょう。
例えばダイニングとリビングなら、家族が集まってくつろぐ開放的な場所ですので、同じ色で統一した方が良いでしょう。
天井は壁よりも明るめの色を選ぶと広く感じます。
また、クロス選びでよくある失敗は、見本帳の小さなサンプルで決めてしまって、壁に貼ってみたらイメージが違っていた、ということです。
メーカーや内装業者に頼むとA4サイズくらいの見本をくれますので、それで確認するようにしましょう。ホームページなどで壁全体に貼った画像を探してイメージするのも良いでしょう。
今回のまとめ
1)ビニールクロスは価格も安く品質も安定してデザインや機能が豊富
2)クロスにつく汚れは5種類ある
3)汚れ落としにはセスキ炭酸ソーダ、カビ落としにはエタノールがおすすめ
4)ビニールクロスを掃除するときには強く擦らない
5)掃除に除光剤や漂白剤は使わない
6)普段の掃除はハタキで、月に1度掃除機をかける
7)壁紙を張り替えるなら、それぞれの部屋の役割や雰囲気を考えて決めよう