人工大理石は、見た目が美しいため、キッチンのシンクやお風呂などに選ばれることが増えています。綺麗な状態を長く保ちたいものですが、気になるのは、掃除などのお手入れの手間や耐久性です。人工大理石の掃除とお手入れについて、ご紹介します。
人工大理石ってそもそもどんな素材?特徴って?
人工大理石の作り方
人工大理石は、天然の大理石を模倣した合成材料で、一般的に石灰石、大理石の塵、砂、セメント、または他の鉱物製品をベースにしています。
これらの成分は色彩豊かな塗料や樹脂と混合され、高温と圧力下で固化されます。これにより美しい、滑らかで光沢のある仕上がりが得られ、本物の大理石とほとんど見分けがつかないような見た目になります。
リフォーム時にも選ばれる人気素材
人造大理石とは異なり、本物の大理石は入っていませんが、見た目の雰囲気がとても美しく高級感があります。カラーバリエーションも豊富なため、家を新築したりリフォームしたりする時に選ばれることが多い、人気の素材と言えるでしょう。
自然の大理石と比べて一貫性と耐久性があり、カウンタートップ、床、壁のタイルなど、さまざまなインテリアデザインと建築用途に利用されます。また、柔軟なデザイン性も人気の理由の一つで、あらゆる色、模様、仕上げが可能です。しかし、天然の大理石に比べて耐熱性や耐切削性は低く、ケアが必要となる場合もあります。
人工大理石の寿命
キッチンのシンクや天板に人工大理石を使用した場合を考えると、キッチン本体の寿命(耐用年数)は10年前後と言われていますが、使い方によっては人工大理石に傷がついたり、落とせないシミが付着したりすることも考えられます。
そうなると、もう少し短い期間でメンテナンスや交換が必要になるかもしれません。
家の代表的な人工大理石の用途
人工大理石はその美しさ、耐久性、そして設計の自由度のために人気があり、最近ではその使用が増えています。その用途は多岐にわたりますが、以下のような場所で特によく使われています。
キッチンのカウンタートップ
人工大理石は、自然な美しさと一貫した色とパターンが求められるキッチンカウンタートップで広く使われています。人工大理石は耐久性があり、維持が容易であるため、この用途には特に適しています。
バスルームのバニティトップ
人工大理石は防水性が高く、長期間にわたって見た目を保つことができるため、バスルームのバニティ(洗面台)のカウンタートップによく使われます。
床材
耐久性と美しさから、人工大理石は床材としても人気があります。大きな空間で一貫したパターンと色を得られるため、特に商業施設などでよく見られます。
壁パネルやタイル
人工大理石は、シャワーエリアの壁パネルやキッチンのバックスプラッシュなど、壁の装飾にも使われます。
人工大理石が選ばれる4つの理由
色や柄が豊富なので、理想の部屋の雰囲気にちょうど合うものを選べる、ということです。特に、家全体の雰囲気や統一感を大事にする方、他のインテリアと水回りとの調和性にこだわりを持っている方に人気です。
製造過程で色や模様をカスタマイズすることが可能であり、デザインの自由度が非常に高いです。これにより、お客様の具体的なニーズや期待に合わせた製品を提供することができます。
キッチンや洗面台で人工大理石を使用すると、天板とシンク、洗面ボウルと洗面台を継ぎ目のない一体に仕上げることができるというポイントがあります。
汚れが溜まりやすくて掃除に手間のかかる隙間がないため、毎日の掃除やお手入れがしやすく、綺麗な状態を保ちやすいことも利点の1つです。
特にアクリル製のものは耐久性に優れていて比較的割れにくく、コストパフォーマンスが良い点も魅力です。
本物の大理石を粉砕して混ぜ込んだ人造大理石よりコストを抑えながらも、高級感のある雰囲気を持たせることができる、というメリットもあります。
人工大理石は非常に滑らかであり、清掃やメンテナンスが容易です。また、非吸水性であるため、汚れや液体が浸透しにくいという特性があります。
まずは準備を!掃除で使いたいアイテム3選
食器用中性洗剤とスポンジ
人工大理石の毎日のお手入れには、食器用中性洗剤とスポンジを使用します。洗剤は普段使っているもので大丈夫です。掃除に使うスポンジは、100円ショップ等で数個セットになっている柔らかいタイプのものを使い、傷んできたら交換することをおすすめします。
メラミンスポンジ
洗剤とスポンジだけで落とせなかった汚れは、メラミンスポンジを使って掃除をすることができます。水をつけて軽くこするだけで、簡単に人工大理石の汚れが綺麗になります。これも普段の掃除で使用しているものを活用します。
クリームクレンザー
メラミンスポンジを使っても汚れが落ちない場合、メラミンスポンジに少量のクリームクレンザーをつけて、軽くこすって掃除をします。ただし、粉状のクレンザーは研磨作用が強いので、人工大理石に傷をつけてしまう原因になりかねません。必ずクリームタイプのクレンザーを選ぶように注意する必要があります。
時短でお掃除を!人工大理石お手入れのステップ
STEP1:食器用中性洗剤とスポンジで洗う
人工大理石の掃除の最初のステップは、食器用中性洗剤とスポンジで全体を洗うことです。シンクはもちろんのこと、水や洗剤が垂れてしまわないように気をつけつつ、キッチンの天板も同じように洗います。
強力な洗剤や酸性・アルカリ性の洗剤は表面を傷つける可能性があるため避けましょう。
STEP2:メラミンスポンジで汚れを落とす
人工大理石に付着した水垢や落ちにくい汚れ、着色にはメラミンスポンジを使用して掃除をします。水を含ませた後、汚れの気になる箇所を軽い力でくるくるとこするようにして落とします。
ただし、強くこすり過ぎると表面を傷つける可能性があるので、優しくこすることが大切です。
STEP3:クリームクレンザーで掃除する
メラミンスポンジを使っても落とせない頑固な汚れは、メラミンスポンジに少量のクリームクレンザーをつけたものでこすって掃除をします。ほとんどの汚れは軽くこすれば落とすことができます。手荒れ防止のために、手袋を着用すると安心です。
クレンザーが人工大理石の表面に長時間留まらないようにしましょう!
STEP4:水で洗い流して乾拭きする
最後に、水で洗剤やクレンザーの成分をしっかり洗い流し、綺麗な布巾や使い古しのタオル等で乾拭きすれば、人工大理石のお手入れは完了です。水滴が表面に残ると水垢ができる可能性があるため、素早い乾拭きを徹底しましょう!
要チェック!掃除で注意したいポイントって?
食器用スポンジと分別
人工大理石の掃除をするスポンジは、食器を洗うスポンジとは分けるようにしましょう。100円ショップのスポンジをあらかじめストックしておき、傷みや汚れが目立ってきたら交換すると衛生面でも安心です。
熱を直接当てないように
人工大理石は熱に弱いため、熱い鍋やフライパンを直接置かないようにしましょう。また、電子レンジやオーブンから出したばかりの熱い料理も直接置かないようにしましょう。
傷に注意
メラミンスポンジでこする時に力を入れすぎたり、クリームクレンザーを頻繁に使ったりすると、特に新品の人工大理石の場合、事前に施されたコーティングが剥がれてしまい、傷がつきやすくなることが考えられます。
メラミンスポンジは必ず軽い力でこすることと、クリームクレンザーを使用しての掃除は、よほど汚れがひどい時だけに限ることをおすすめします。
知っておきたい人工大理石のお手入れの豆知識
天敵は「酸」
人工大理石は酸性物質に弱いとはいえ、天然大理石よりも耐性があります。天然大理石は石灰岩を主成分としており、酸性物質と接触すると腐食します。それに対して人工大理石は一部のレジンで製造され、一定の酸性耐性を持っています。
しかし、酸性の洗剤や食品(例:レモン、酢)を直接長時間放置すると、変色や腐食の原因となるため、避けるべきです。
歯ブラシのカビ掃除も有効
人工大理石のシンクや洗面台、お風呂の目地にカビが発生してしまった時は、使い古しの歯ブラシに中性洗剤をつけて、そっと磨いて掃除をすると、黒い着色を取り除きやすくなります。
汚れや色の付着
また、シンクや天板に色の濃い調味料をこぼして放置したり、食器や調理器具を洗わずにシンクに入れっぱなしにしたりすると、汚れや色が付着して、その後の掃除が大変になってしまいます。
場合によっては落とせないケースもあるので、できるだけ食器や調理器具は溜めこまずにこまめに洗うことと、1日の終わりには全体を中性洗剤で洗って水で流し、乾拭きすることを習慣づけましょう。慣れるまでは、少し手間に感じるかもしれませんが、長い目で見ればかえって掃除が楽になります。
記事のまとめ:人工大理石の掃除について
これから人工大理石の美しさと機能性を長持ちさせるためのお掃除を、手順を参考に始めてみましょう!大理石は高級感と美しさを持つ天然素材ですが、その繊細さから適切なケアが必要です。お掃除や日々のメンテナンスを通じて、身の回りの大理石と快適に過ごせることを願っています!