「やりたくない仕事を断ることはわがまま？」この記事では、周りとのバランスの取り方と、自分の心地良さを追求しながらも職場でプロフェッショナルに自分を活かす方法を紹介します。
時にはやりたくない仕事も活かすこと、また普段の態度によって有利に自分を表現していくことを、体得しましょう！
目次
会社内で考えられる「やりたくない仕事」とは？
一般的な「やりたくない仕事」一例
「やりたくない仕事」とは、個々の職場や職員によって異なるものですが、例として以下が考えられます。
ルーチンワーク
日々同じような仕事を繰り返すことに飽き飽きしている人々は多いです。これらのタスクは、新しいスキルを学んだり、個人的な成長を感じる機会が少ないため、不満を感じることがあります。
難易度の高いプロジェクト
自分のスキルや経験をはるかに超えていると感じるプロジェクトに取り組むことを求められる場合、これはストレスと不安を引き起こす可能性があります。
業務量の多い雑務
一日の仕事が終わらないほどの業務がある場合、これはプライベートな時間を侵害し、生活のバランスを崩すことにつながります。
コミュニケーション重視の仕事
人との関わりが多い仕事を避けたいと考える人もいます。特に、内向的な性格の人にとっては、頻繁に会議を開いたり、プレゼンテーションを行ったりすることは大きな負担となることがあります。
責任を負わされる仕事
部下の管理や業績の責任を負う管理職は、大きなプレッシャーとなることがあります。その結果、一部の人々は、管理職の仕事を避けたいと感じるでしょう。
また、そもそも「その仕事が評価をしてもらえる」「評価をしてもらえない」という点で、業務に関わりたくない！と考える人も多数いるでしょう。では会社の「評価」に関連する業務を見ていきましょう。
評価が反映される業務（反映されやすい業務）
・売上に直結する仕事：営業やマーケティングのように、直接会社の売上に貢献する仕事は明確な指標があり、その成果が評価に反映されやすいです
・プロジェクトの成果：明確な目標が設定され、その達成度が評価の基準となるプロジェクトは、評価に直接影響を与えます
・顧客満足度：顧客サービスやサポートのような仕事では、顧客満足度は重要な評価指標となります
評価が反映されない業務（反映されにくい業務）
・内部のルーチンワーク：日常的な管理業務や事務作業は、会社の運営に必要なものですが、その成果が評価に直接反映されることは少ないです
・予防的な仕事：ITセキュリティやリスク管理のような仕事は、問題が発生しないことが目標であり、その成功が見えにくいため、評価に直接反映されにくいです
・チーム内のサポート役：他のメンバーをサポートする役割は重要ですが、その成果が具体的な数字で評価されることは少ないです。
評価が反映されない業務を行う場合でも、その価値を上手に伝え、評価に反映されるようにするための交渉は大切です。その業務が会社やチームにどのように貢献しているかを明確に説明し、その価値を理解してもらうことが重要です。
結論！やりたくない仕事を「断る」スキルは必須
「やりたくない仕事」を断ることが必ずしもわがままであるとは限りません。その理由を論理的に見ていきましょう！
自己防衛のため
自身の健康とウェルビーイングを保つためには、過度のストレスや過労から自身を守ることが重要です。あまりにも多くの仕事や、自分にとって難易度の高い仕事を引き受けると、ストレスは増え、パフォーマンスは低下します。
自分の限界を知り、それを超えないようにすることは、長期的に見れば自身のため、そして会社のためにもなります。
効率と生産性のため
自分の得意分野や専門性に基づいて仕事を選ぶことは、時間を最大限に活用し、生産性を高めることにつながります。自分に適さない仕事を引き受けると、その業務を遂行するのに比較的長い時間がかかり、全体の生産性が低下する可能性があります。
チームワークと役割分担のため
すべての職員が全ての仕事を引き受けるのではなく、各人が自分のスキルと興味に基づいて役割を担うことで、チーム全体がうまく機能します。
一人が全てを引き受けると、その結果として他のメンバーの貢献が制限され、チームワークが阻害される可能性があります。
専門スキル開発のため
特定の業務に集中し、その分野のスキルと知識を深めることは、個人のキャリア発展にとって重要です。自分にとって不適切な、あるいは興味のない仕事を引き受けると、その時間とエネルギーが自己成長と専門性の開発から奪われることになります。
これらの理由から、「やりたくない仕事」を断ることは、単なるわがままではなく、自身のウェルビーイング、生産性、専門性の保護と向上に寄与する重要なステップと言えます。
「できる人」は仕事を選んでいる？うまく断っている？
「できる人」は、多くの場合、自分のスキル、専門知識、そして時間の最適な使い方を理解しています。彼らは自分の強みを活かすことができ、その強みを活かすための適切な仕事を選ぶ能力があります。その結果、仕事の選択は彼らのパフォーマンスと効率に直接寄与します。
「できる人」はうまく仕事を断る方法も知っています。それは単に「NO」と言うことだけでなく、断る理由を適切に伝え、可能なら代替案を提案するスキルも含みます。彼らは自分の能力と時間の制約を理解しており、それを超えて負担を引き受けることが自身やチームにとって有害であることを認識しています。
それは、彼らが仕事を断るときにもプロフェッショナルであり続け、他の人々の感情を尊重するための適切なコミュニケーションスキルを持っていることを意味します。彼らは断ることで他の人に不公平な負担をかけないように注意し、できるだけ状況を緩和しようとします。
したがって、「できる人」は仕事を選び、仕事を断るスキルを持っていると言えます。これは彼らがより効果的に働き、ストレスを軽減し、キャリアにおいて長期的な成功を達成するための重要な要素です。
仕事がよく押し付けられる人、押し付けられない人の違い
よくプロジェクトや、社内でも「仕事を頼みやすい人」がいます。仕事が押し付けられる人（集まってしまう人）と、押し付けられない人の違いは主にコミュニケーションスキル、自己認識、プロフェッショナル意識、そして交渉力にあります。その「違い」を見ていきましょう。
違い
コミュ力の違い
これは、自己主張が必要になる場面で重要な役割を果たします。自分の意見を適切に表現し、相手に理解してもらえる能力がある人は、仕事を上手に管理し、自身の負担にならないように適度な仕事量を保つことができます。
しかし、自分の考えや感情を効果的に伝えることが苦手な人は、他人から仕事を押し付けられ、自分のキャパシティを超えた仕事を引き受けてしまうことが多いです。
違い
自己理解の違い
自分の能力や限界を正確に理解している人は、自分に合った仕事を選ぶことができます。しかし、自己評価が低い、あるいは自己理解が不十分な人は、自分に合わない仕事を引き受け、過度なストレスを経験する可能性があります。
違い
プロ意識の違い
仕事に対するプロフェッショナルなアプローチがある人は、自分の仕事の範囲と責任を明確にします。それにより、自分の仕事に集中し、他人からの無理な仕事の押し付けを避けることができます。
違い
交渉力の違い
自分の立場をはっきりと示し、自分にとって適切な仕事量と条件を確保する能力があります。交渉力がある人は、自分の仕事の範囲を明確にし、無理な仕事を断ることができます。しかし、このスキルが不足している人は、他人から仕事を押し付けられる可能性が高くなります。
これらの要素が、仕事が押し付けられる人と押し付けられない人の違いを明らかにしています。それぞれの能力を鍛え、自己認識を深めることで、自分の仕事に対するコントロールを増やし、より健康的な職場環境を作り出すことができます。
とは言え！時にはやらなければいけない瞬間とは？
「やりたくない仕事」でも、時にはその仕事を遂行しなければならない状況があります。その理由や状況を見ていきましょう。
必須スキル獲得のとき
特定の仕事が現時点では興味がない、または難易度が高いと感じるかもしれませんが、それを経験することで必要なスキルや知識を獲得することが可能です。これは、自分のキャリアを発展させるために必要なステップであり、避けることはできません。
チームワークが必要なとき
チームで働くとき、すべてのタスクが自分の興味やスキルと完全に一致するわけではありません。しかし、チーム全体が目標を達成するためには、個々のメンバーが時には好みではないタスクを引き受けることが求められます。
チームで事前に決まっている時、期限までにあるタスクを実行なければいけない瞬間もあるでしょう。
緊急度と重要度ともに高いとき
特定のタスクが緊急であったり、その結果が大きな影響を及ぼす場合、そのタスクを引き受けなければならないことがあります。それはチームメンバーを助ける好意に繋がるかもしれません。
それが「やりたくない仕事」であったとしても、状況の緊急性やタスクの重要性が優先されます。
職務の範囲であるとき
仕事には楽しみながら取り組める部分もあれば、そうでない部分もあります。それが職務の一部である場合、やりたくないと感じてもその業務を遂行しなければならないことがあります。
このように、すべての仕事が自分の好みや興味に完全に一致するわけではないと理解することが重要です。
「自分の仕事」「人の仕事」バランスを取るための仕事スキル
しかし仕事が頼まれすぎると、自分のタスクに集中する時間が減少し、ストレスが増加します。普段からバランスを取るためのスキルを身につけ、周りの人に自分の能力や価値観を理解させる力が必要です。頼まれることが多い場合、普段から気を付けられるポイントを紹介します。
バウンダリーのスキル
バウンダリーとは「限界」の意味です。自分の能力と時間の限界を理解しておくことが重要です。この理解がないと、まさに「キャパオーバー」となり、心も身体もすり減っていく一方です。
限界値を理解し、それを超えて負担を引き受けないようにするスキルを身につけましょう。
優先順位のスキル
自分の主要な仕事と目標に焦点を合わせ、それが達成されるまでは他の追加的なタスクを受け入れないことが「優先順位」のスキルです。優先順位が曖昧な状態だと、結果的にいま集中すべきタスクが分かっておらず、仕事を引き受けてしまいかねません。
優先順位が明確になっていない場合、何かの仕事を断るとき、それを説明する際の説得力が欠けることにも繋がります。自分のタスクの「優先順位」は常に把握できるようにしておきましょう。
デリゲーションのスキル
デリゲーションとは「権限委譲」の意味で、「人の力を借りる」スキルです。普段から「人にお願いできる力」「人の力を借りられる力」を身につけておくことは、とても重要なスキルです。
全てのタスクを自分一人でこなす必要はありません。適切にタスクを他の人に委託することで、負担を軽減することができます。
タイムマネジメントスキル
効果的なタイムマネジメントスキルは、自分の仕事と他人の仕事の間のバランスを取るために重要です。これには、仕事の計画作成、期限設定、一度に一つのタスクに集中するなどのスキルが含まれます。
NOと言う勇気
全てにYESと言う必要はありません。時には、自分の健康とウェルビーイングのためにNOと言う勇気が必要です。相手を不快にさせない範囲で、一度きちんと断ってみましょう。想像した以上に、相手との関係が楽になることがあります。
これからの職場や環境内で、自分の立場を守っていく大切な心構えとなるでしょう。
これらのスキルを磨くことで、自分の仕事と他人の仕事の間でうまくバランスを取ることができます。これにより、仕事の生産性と効率が向上し、職場でのストレスを軽減することができます。
できる人の「やりたくない仕事」の断り方とは
「やりたくない仕事」を断る際の上手な方法は、いくつかあります。そのポイントを理解して、自分の地位を守っていきましょう。
ポイント
「礼儀」正しくあること
あなたが断る理由を正確に、しかし礼儀正しく伝えることが重要です。感情に流されて不適切な表現を使わず、冷静かつ敬意を持って対応しましょう。
ポイント
「曖昧」にしないこと
あいまいさを避けるために、自分の決断をはっきりと伝えることが大切です。拒否の意志を明確に伝えることで、他の人があなたの立場を理解しやすくなります。
ポイント
「なぜ」の理由を明確に
「なぜ」あなたがその仕事を断っているのか説明することは、他の人があなたの立場を理解しやすくします。ただし、理由は具体的かつ誠実であるべきです。
ポイント
とにかく「早め」に
断ることを遅らせると、他の人にとっては準備や計画を立てる時間が失われます。そのため、早期に断ることを決定した場合は、すぐに伝えることが最善です。
「もっと早く言ってよ」と言われる前に、先手で動ける人こそ、さらに信頼につながっていきます。
ポイント
＋の提案を持っていくこと
その仕事を誰か他の適任者に回す、あるいは自分がその仕事をやる代わりに他の仕事を引き受けるなど、代替案を提供することが有効です。
これが最も納得感があり、生産性のある会話に繋がります。これにより、あなたがチームやプロジェクトに対して協力的であることを示すことができます。
＋の提案（代替案）を持っていく伝え方例
「この度はお声がけいただいてありがとうございます。私は現在、●●プロジェクトに注力しており、新しい業務を引き受ける余裕がありません。しかし、同じチームの●●さんはこの分野で過去に●●の成果を出していて、経験が豊富です。
彼ならば、このタスクを私以上にうまくこなすことができると思います。その分、私は●●プロジェクトの●●に注力し、●●の成果を上げるために集中をしたいと思っています。何卒、宜しくお願いいたします。
一例ですが、このように「代替案」「自分の集中すべきタスク」「集中した先の未来（価値提供）」をセットにして伝えることで、断ることができます。この方法なら、あなたが仕事を断っている理由と、代替案を提供していることが明確になります。
ぜひ本記事をキッカケに、自分の専門性や強みをより一層大切にし、周りにアピールしてみましょう！「断る」ことは決してネガティブではなく、自己防衛となり、さらには会社にとって長期的には価値をもたらす選択になるかもしれません。
ご自身の仕事量や専門性とのバランスを見て、より良い関係を周りの皆様と築いてください！
