【種類別】ガンコな服の油染みに!落とし方の5ステップ

服のクリーニングをしている女性

洗濯物の汚れの中で一番厄介なのが油染みです。ただ洗濯しただけではどうしても油汚れは落ちません。

なかなか落ちないので、半ば諦めてしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、油染みの落とし方に付いてご紹介します。






【種類別】ガンコな服の油染みに!落とし方の5ステップ


1)種類の違いを理解しよう!服の7種類と洗濯の違い

服地に使用されている繊維にはそれぞれ特徴とそれに適した洗濯方法があります。

(1)天然繊維

・綿(コットン)

綿性の衣類の特徴は、吸水性に優れ汗をよく吸ってくれ、通気性も良い事です。ただし、シワになりやすく、日光に当たると黄ばみやすいという欠点だあります。

洗濯は、どの洗剤でも洗えます。シワになりやすいので、脱水は短めがお勧めです。乾燥機で半乾きにしてから干すとしわが伸びて干しやすいです。

また、色柄ものは日光で脱色しやすいので、裏返して干せば黄ばみや脱色を防げます。

・麻

吸水性が高く通気性も良いので、涼感があります。シワになりやすく、摩擦により毛羽立ちやすいです。

また、日光や汗、洗濯によって色むらや色落ちしやすいという欠点があります。洗濯はどんな洗剤でも洗えますが、目立たないところで色落ちをチェックした方が良いでしょう。

脱水は、綿同様短めにするとシワが少なくすみます。

・毛(ウール)

保温性吸水性がよくシワになり難いですが、濡れた状態で摩擦がかかると縮みやすいです。また、アルカリ性の洗剤で洗うとフェルト化してしまいます。

お洗濯は、おしゃれ着洗い用の中性洗剤で優しく押し洗いしましょう。

・絹(シルク)

美しい光沢があり肌触りのよい絹は、夏涼しく冬暖かい優れものです。ですが、濡れるとシミになりやすく、アルカリ性洗剤に弱い性質を持っています。

お洗濯はおしゃれ着洗い用の中性洗剤を使用し、塩素系漂白剤や粉末の山荘性漂白剤は生地を痛めるので使用しないで下さい、干す時は必ず陰干ししましょう。

(2)化学繊維

・ナイロン

化学繊維の中でも古くから使用されている繊維で軽くて弾力性吸水性があり、シワにもなり難く乾きやすいので扱いやすいですが、冬場など摩擦で静電気が起きやすく日光で黄ばみやすい欠点があります。

どんな洗剤でも洗えますが、黄ばみを防ぐためには陰干ししましょう。

・ポリエステル

軽くて丈夫でシワになり難い上に黄ばんだりもしません。が、油性の汚れが付きやすく、取れ難いという欠点があります。丈夫ですのでどんな洗剤でも洗濯出来ます。

・アクリル

弾力のある繊維ですのでニット類に使用されています。

軽くて強く保温性があるので、どんな洗剤でも洗えますが、耐熱性が低いので乾燥機で乾かす時は注意しましょう。

2)そもそも油染みとは何?汚れの原因やメカニズムとは?

一口に「油染み」と言っても原因となるものは様々です。

マヨネーズやマーガリンといった調味料、食べこぼしの跡に残った植物・動物性の油脂であったり、ファンデーションやグリス・機械油といった鉱物性の油などです。

付いた直後ティッシュなどで拭き取っても油は繊維にしみ込んで跡を残します。

3)アイテムを揃えよう!油しみを落とすのに必要なグッズ5選

(1)台所用洗剤

洗濯の話題なのに何故台所用品なのかと思われるでしょうが、油を落とす事にかけては台所用洗剤が優れている事はご存知のはず。

食べこぼしの油しみを落とすのに、最も優れた前処理剤です。

(2)歯ブラシ

服の繊維を痛めずに洗剤をなじませたり、汚れを擦り落とすのにとても有効なアイテムです。使い古しのもので充分です。

(3)バケツ・タライ

油染みを落とすためのつけ置きに使用します。熱湯を使用しますので、70度以上の温度に耐えられる素材のものをご用意下さい。

(4)酸素系漂白剤

酸素系漂白剤は40度以上の温水で使用すると酸素を発生させ泡立ちます。酸素の泡が汚れを剥がし落とすので、油汚れも落ちやすくなります。

(5)作業着洗い専用洗剤

機械油など頑固な汚れ落とし専用洗剤です。ホームセンターやドラッグストアなどで購入出来ます。これからご案内する落とし方でもまだ落ちないようでしたら、こういうものの購入もご検討下さい。

洗濯機で洋服を洗濯している主婦

4)油染みの落とし方を解説!5ステップとは?

(1)食べこぼしなどの油染み

食事中についてしまったちょっとした油染みは、手早く処理する事で簡単に落とせます。

ステップ1:油汚れを揉み出す

油染みに台所用洗剤をつけ、歯ブラシを使って擦ったり、つまみ洗いで油汚れを揉み出します。

ステップ2:洗濯

その後は普通にお洗濯して下さい。食べこぼしには油溶性の汚れ・水溶性の汚れ・タンパク質汚れなどが混ざり合っています。油汚れ部分を前処理しておく事で、お洗濯で落とせます。

(2)酷い油染みの落とし方

厨房で使う前掛けや機械油の染み込んだ作業着など、汚れの酷いものは下処理をしてから洗濯します。

ステップ3:洗浄液を

バケツやタライに70度から80度の熱湯を入れ、洗濯洗剤を溶かして洗浄液を作ります。

ステップ4:漬け込み

汚れた服を漬け込みます。時々かき回しながら30分ほど置きます。(汚れ具合によって調整して下さい)お湯に油が溶け出してきます。

この時、汚れの割にあまり油が浮いていないと感じたら、お湯を注ぎ足して温度を上げてから酸素系漂白剤を入れて下さい。酸素の泡によって、油汚れがより浮きやすくなります。

ステップ5:仕上げ

油が十分溶け出したら、軽くすすぎ、油が剥がれやすくなっているうちに洗濯しましょう。熱湯を使って下処理する事で、かなりの割合で油染みがなくなります。

5)要注意!油染みを洗濯する上での2つの注意点とは?

(1)熱湯を洗濯機に注がない

この後洗濯するのだから…と、油染みの付いた服の漬け込み洗いに洗濯機を利用するのは避けましょう。

洗濯機のボディは金属ですが、部品には結構プラスチックが使われていて、洗濯機の耐熱温度は50度と低めです。

70度から80度の熱湯を入れて放置してしまうと部品の破損で故障する可能性が大きいです。漬け込みには、バケツやタライを必ず利用しましょう。

(2)弱アルカリ性洗剤を使う

油は酸性ですので、アルカリはそれを中和させ剥がれやすくします。弱アルカリ性洗剤とは、つまり一般的な洗濯洗剤の事です。

おしゃれ着洗い用の洗剤は中性ですので、油染みには効果ありません。

6)油染みを防ぐ・なってしまった場合の応急処置とは?

服の油染みを防ぐ手だてとしては、エプロンやナフキンなどで直接付く事を避けるくらいしかありません。

ですが、外出先にエプロンを持参して食べる訳にもいきませんね。万一油染みを作ってしまった時の応急処置としては、洗面所の手洗い用石けんや給湯室にある台所用洗剤を利用しましょう。

湿らせたハンカチやティッシュに洗剤をつけ、汚れの裏側に乾いたティッシュを当てて、上からたたいてティッシュに吸わせて取るやり方です。

たたく時は染みの外側からやると汚れを広げずにすみます。こうしておけば帰宅後の洗濯で、油染みを残さずに出来ます。

7)クリーニングに相談できる?相場や注意点とは?

ウールやシルクといった高級服や、熱に弱いアクリル製ニットの油染み落しを自分でするのはちょっと怖いですよね。そういう時は、迷わす洗濯のプロに任せるのが一番です。

(1)相場・期間

染み落しについて、各クリーニング店によって対応が違います。

油染み落としはクリーニング代の中に入っている店もあれば、全て見積もりを出してお客様との合意の上引き受けるという店もあります。

いつも利用しているクリーニング屋さんに相談するのが一番分かりやすいし、話が早いかもしれませんね。

他の店を探したいという場合は、インターネットで検索するとクリーニング協会に加盟している染み落しの技術があるクリーニング店や、染み落とし専門のクリーニング店を探す事が出来すので、相談してみるのもよいいでしょう。

染み落としにかかる期間は5日〜7日という店が多いでしょう。

(2)クリーニングでの注意点

クリーニングを頼む時、次の事を伝えるようにすると対応が早くなります。

・染みの種類(何が付いた跡なのか)

・染みが付いた時期(染みが付いてどのくらい経過したか)

・染みの大きさ(宅配クリーニングを委託するときに聞かれます)

・クリーニングに出す前にどんな処置をしたのか

その他、染みを落とすための聞き取りをされた場合、出来るだけ的確に説明できると、店の方での処理が早くなり戻ってくるのも早くなります。






今回のまとめ

1)服の繊維にはそれぞれ特徴があり、それに適した洗濯方法がある

2)染みになる油にも種類がある

3)染みの落しの前処理は台所洗剤と熱湯の洗浄液

4)洗剤は弱アルカリ性のものを使う

5)外出先では洗面所の手荒い石けんなどで応急処置

6)自分で洗えないと思ったらクリーニング店に相談を