【靴の手入れ術】エナメルをピカピカにする掃除の5STEP
エナメルの靴は、ファッションにアクセントを加えてくれますし、フォーマルなシーンで大活躍するアイテムです。しかし、普通の革靴や合皮の靴とは手入れの方法が違ってきます。
エナメルの靴をピカピカにする手入れと掃除のポイントをご紹介します。
目次
【靴の手入れ術】エナメルをピカピカにする掃除の5STEP
1)エナメルってどんな素材なの?
(1)エナメルとは?
エナメル素材とは、光沢のあるエナメル塗料を布地やレザー、ビニール等に塗布したものを指します。靴の場合、レザーにエナメル塗料を塗って加工したものが使われることが多いでしょう。
(2)エナメルと似ているけど違う素材って?
一見するとエナメルと違いがわからない、よく似ている素材が、PVC(ポリ塩化ビニル)です。エナメルのようなつやがありますが、質感が少し劣り、ビニール特有の匂いがします。PVCも靴の素材として使用されることがあります。
(3)エナメルの掃除の基本的な考え方とは?
エナメルは、傷がついてしまったり剥がれてしまったりすると、それを元に戻すことは残念ながらできません。また、高温多湿の場所にエナメルの靴を保管すると表面がべたつき、低温の場所に置いたままにすると表面がひび割れてしまう、とても繊細な素材です。
そのため、手入れには必ずエナメル専用のクリーナーやクリームを使うことが重要です。
2)エナメル靴のお手入れに準備したいアイテム4選とは?
(1)着古したTシャツ
エナメルの靴の表面に付着したホコリや汚れを落とすのに、着古したTシャツを使いやすい大きさにカットしたものを使います。タオルでも良いのですが、エナメルは傷がつきやすいため、ごわごわした素材のものでお手入れをすることは避けます。Tシャツは柔らかく、目の細かい生地ですので、エナメル靴のお手入れに向いています。
(2)エナメル専用のクリーナー
特殊なコーティング素材であるエナメル靴のお手入れには、やはり専用のクリーナーを使うのが一番安心です。インターネットの通販サイトで手軽に購入できますし、価格も数百円程度ですので、ぜひ準備しましょう。
(3)エナメル専用のクリーム
クリーナーで掃除をした後は、エナメル専用のクリームを塗布して、必要な油分と水分を補給します。エナメルの靴を長く綺麗に履くためには、専用のクリームを使ったケアがどうしても必要になります。こちらも通販サイトで、1000円前後で入手できます。
(4)レザー用マニキュア
エナメル素材の靴についてしまった、ごく小さな傷や剥がれであれば、革製品の傷補修に使用されるレザー用のマニキュアを使って目立たなくさせることができる場合があります。ただ、エナメル専用の塗料ではないので、傷や剥がれが大きい場合、補修した部分がかえって目立ってしまうおそれもあります。
3)掃除の手順とは?エナメル靴の掃除の5STEP
(1)STEP1:エナメル靴の表面についたホコリや汚れを落とす
着古したTシャツを、手に持ちやすいサイズにカットしたものを使って、エナメル靴の表面についたホコリや汚れを綺麗に落とします。
(2)STEP2:エナメル専用クリーナーで掃除をする
カットしたTシャツに、エナメル専用クリーナーを少量ずつなじませ、エナメル靴全体を拭いて掃除をします。ムラにならないように気をつけながら、全体を綺麗にしていきます。
(3)STEP3:小さな傷や剥がれをレザー用マニキュアで補修する
エナメル靴の表面に小さな傷や剥がれがある場合、よく似ている色のレザー用マニキュアを使って補修します。光沢が出てなじむまで、しっかりと乾燥させます。
(4)STEP4:エナメル専用のクリームで油分と水分を補給する
エナメルのお手入れ専用のクリームをエナメル靴に塗り、汚れていないカットしたTシャツを使って塗り込んでいきます。これもムラにならないよう、少しずつ丁寧に行うようにします。
(5)STEP5:綺麗な布で拭きあげる
Tシャツをカットしたもので、エナメル靴全体を拭きあげれば完了です。
4)要注意!掃除で注意する2つのこととは?
(1)防水スプレーはNG
雨や雪の水分からエナメル靴を保護しようとして、防水スプレーを使いたくなるかもしれませんが、エナメル素材には防水スプレーを使うことができないので注意が必要です。
表面の樹脂が溶け、エナメル素材独特のつやが失われてしまったり、シミがついてしまったりする恐れがあるので、防水スプレーは使わないようにしましょう。
(2)靴が濡れているときは乾燥させてから掃除をする
エナメル靴のお手入れをする際には、必ず乾いた状態の時に行うようにします。雨や雪で濡れた状態のまま掃除をすると、かえってひび割れや型崩れにつながりかねないからです。
5)こんな時はどうしたら良い?傷や緊急時の対処方法
(1)傷の対処方法
ほんの小さな傷であれば、色が似ている爪用のマニキュアで目立たなくさせることができるかもしれません。ひび割れが気になる時は、トップコートを塗ってしっかり乾燥させると、目立ちにくくなる場合もありますが、できるだけ緊急時だけにとどめましょう。
(2)素材の剥がれにはどうしたら良い?
エナメル素材が少し剥がれてしまった際には、上記のSTEP3で紹介したように、レザー用マニキュアで対処することができます。乾くとある程度の光沢が出るので、小さな範囲の剥がれであれば目立たなくなります。
(3)カビ防止のアイディアとは?
エナメル素材にカビが付着すると、落とすのは非常に大変です。エナメル専用クリーナーで何度か拭き取ることで綺麗になる場合もありますが、繰り返し作業をすることでエナメルを傷めてしまう恐れもあります。
カビは高温多湿の場所を好んで発生するため、エナメル靴を保管するシューズボックスの換気を定期的に行うことや、シューズボックス専用の除湿シートを敷いておくなど、普段から湿気対策を万全にしておく必要があります。
(4)気になる臭いにはどんなケアが効果的?
頻繁に履くと、エナメル靴の臭いが気になるかもしれません。繊細なエナメル素材の靴には、除菌用アルコールスプレーは使わない方が無難です。履いた後、使い古しの靴下やストッキングに重曹パウダーを入れたものをエナメル靴の中に入れておくと、消臭と除湿の両方の効果を期待できます。
(5)雨に濡れてしまったら?
エナメル靴が雨に濡れてしまったら、折りたたんだ新聞紙の上に置き、別の新聞紙を小さくちぎって丸め、靴の先の方から詰めていきます。20~30分ほど経ったら、下に敷いた新聞紙と、靴の中に詰めた新聞紙を、新しい新聞紙と交換します。できればこの工程を2回繰り返し、一晩置きます。
靴の中に詰めた新聞紙を取り出して捨て、型崩れを避けるためにシューズキーパーを入れます。風通しの良い場所に陰干しし、1~2日かけてしっかりと乾燥させると更に効果的です。
6)エナメル靴を綺麗に保つポイント・メンテナンス方法とは
同じエナメル靴を頻繁に履いていると、傷みやすく、傷や汚れも付きやすくなります。できれば2~3足を交互に履くと、どの靴も美しさを保つことができるのでオススメです。
少し手間はかかりますが、エナメル靴を履いた時は2回に1回程度、上記のステップを活用してお手入れをすると、綺麗な状態を保つことができるでしょう。高温多湿や極端な低温を避けて保管することも、忘れてはならない重要なポイントです。
まとめ
1)エナメル素材と基本的な掃除方法について知ろう
2)エナメル靴のお手入れに必要なアイテムとは
3)シンプルな5STEPでエナメル靴をピカピカに
4)傷や緊急時の対応を覚えておけば安心
5)日頃のメンテナンスと保管に気を配ることが大切