【総まとめ】服についた墨汁の落とし方徹底解説!試したいグッズ

着物で習字をしている女性

墨汁の落とし方を解説!墨汁についた時間が経った厄介なシミ。重曹、歯磨き粉、キッチンハイター、オキシクリーン、マジックリン、ウタマロクリーナーはどうやって使うの?デニム記事や机(テーブル)に付いてしまった墨のお手入れ方法など、気になる質問をまとめて紹介します。

目次

そもそも「墨汁」の成分って?

墨汁の成分

書道の授業で、硯に水を入れて、固形の墨をすって墨汁を作ったことのある方もおられるかもしれませんが、その手間を省くために、最初から液状になっている墨汁を使うことがほとんどでしょう。

一般的に出回っている墨汁は、固形の墨に含まれる天然の煤の代わりにカーボン(炭素)、膠の代わりに合成樹脂が使われていることが多いようです。水を溶媒として、防腐剤、香料、安定剤、浸透剤などの成分も含まれています。

墨汁はなぜ落ちにくいの?

墨汁は不溶性の汚れであり、水にも油にも溶けないため、通常の洗濯では落としにくいです!墨汁は、カーボンブラックという炭素主体の小さな粒子と接着剤と水でできています。

このカーボンブラックは粒子が小さいので、繊維の間に入り込んでしまうと、なかなか落ちなくなってしまうのです。墨汁汚れは時間が経つほど落ちにくくなるため、ティッシュを利用した応急処置がおすすめです。

服についた墨汁落としに!必要なグッズ5選

ご飯粒もしくはでんぷんのり

服についた墨汁を落とすのに必要なアイテムの1つが、ご飯粒です。水と混ぜてペースト状にすると、墨汁がしみ込んだ部分の墨の粒子を吸い出すのに使えます。でんぷんのりでも同じ作用が期待できますので、家にある場合は試してみることをおすすめします。

歯磨き粉

歯磨き粉には、細かい研磨剤が含まれています。繊維の間に入り込んだ墨の粒子を落とすのに効果を発揮します。

クレンザー

歯磨き粉と同様、クレンザーに含まれている研磨剤が、墨汁を落とすのに役立ちます。墨汁の汚れが落ちても、研磨剤が影響して服の生地そのものを傷めたり、色落ちさせたりしてしまう可能性がありますので、目立たない部分で変質や色落ちの有無を確認する必要があります。

使い古しの歯ブラシ

歯磨き粉やクレンザーを使って服についた墨汁を落とす際に、使い古しの歯ブラシで軽くこすります。柔らかいブラシのものを選ぶと、服の生地へのダメージを抑えることができます。

家庭用中性洗剤

キッチン周りを掃除する際に使用する、家庭用中性洗剤を使って、服についたばかりの墨汁を落とせる場合があります。家にある洗剤で気軽に試すことができる方法です。

服についた墨汁の落とし方!一般的な4ステップ

STEP1:家庭用中性洗剤と固形石鹸を使う

服に墨汁がついてすぐであれば、まずは家庭用中性洗剤を水で2倍で薄めたものを墨汁がついた部分にしみ込ませ、指で優しくもむようにして洗います。その後、固形石鹸をシミの部分にこすりつけ、再度もみ洗いをします。墨汁の汚れが薄くなるまで何度か繰り返します。

STEP2:ご飯粒もしくはでんぷんのりを使う

服について少し時間が経ってしまった墨汁のシミには、ご飯粒を少量の水で練ったものを使います。5粒前後のご飯粒に水を少量加えて練り、ペースト状になったものを墨汁がついた部分にすりこみます。

同じ作業を、でんぷんのりを使って行うこともできます。繊維の間に入った墨汁の粒子が、ご飯粒のペーストやでんぷんのりに移るまで、数回繰り返して行います。

STEP3:歯磨き粉もしくはクレンザーを使って落とす

墨汁がついた部分を水で湿らせ、使い古しの歯ブラシに少量の歯磨き粉もしくはクレンザーをつけたもので軽くこすり洗いをします。傷みにくい生地の服であれば、歯ブラシで軽く叩くようにして洗い、繊維の間から研磨剤を叩き出すような要領で落とすこともできます。

STEP4:水ですすぎ、通常どおり洗濯する

上記のいずれかの方法を試した後は、服全体を水でしっかりすすいでから、通常どおり洗濯機で洗濯します。

付着する素材別に解説!落とし方の違いとは?

ニット類

アクリルやウール等のニット類は、どちらかといえば墨汁を落としやすい素材です。繊維の間に入った墨の粒子をそっと押し出すように、手指を使い軽い力で洗うのがコツです。

何度も水中で洗うことを繰り返すと、素材の特性上、縮みや変質が起こることも考えられますので、生地が傷んでいないか確認しつつ行います。

革製品

革製の服に墨汁がついてしまった場合、素材の特性からして水で濡らすことは避けたいものです。レザークリーナーを柔らかい布に少量つけ、軽い力でなでるようにすりこみます。

墨汁の色が薄くなるまで、数回同じ作業を繰り返しますが、やはり事前に色落ちしないかどうか確認してから行うようにします。

綿・ポリエステル

綿やポリエステルのような丈夫な繊維でできたシャツやボトムスは、色落ちに気を配りつつ、上記のいずれかのステップを活用して服についた墨汁の汚れを落とすことができます。

墨汁の汚れを落とす場合の注意点とは?

繊細な素材の服を洗う時は細心の注意を

リネンやシルク等の天然素材、またレーヨンのような、化学繊維の中でも繊細な風合いを持つ素材の服を洗う時には、細心の注意が必要です。墨汁のシミを落とすことはできても、摩擦や刺激によって独特の風合いが損なわれたり、変色したりすることが考えられるからです。

急いでいて、自宅で対応したい時は、裏地などの目立たない部分に洗剤やクレンザー等をごく少量つけて、変色や変質が見られないかどうかチェックしてみます。問題ないようであれば、歯ブラシは使わず、指先を使って洗いますが、軽く押し洗い、もみ洗いをする程度にとどめましょう。

応急処置は?墨汁がついた場合にすぐに処置できる方法

服に墨汁がついた場合、できるだけ早く対処すればするほど落としやすくなります。筆ペンを使う機会が多い方や、学校で書道の授業がある日などは、墨汁の汚れ専用に開発されたシミ抜き材を持っておくと、服を汚してしまった時に応急処置ができるので安心です。

インターネット等で、数百円程度で入手できるグッズですので、墨汁を服につけて大変な思いをする前に、携帯する習慣づけをすることがおすすめです。

墨汁汚れはクリーニング店に依頼はできる?

期間・値段の相場とは?

繊細な素材でできた服や、大切な服など、自宅で対処するのが難しい衣類は、シミ抜きに特化したクリーニング店に依頼すれば安心です。インターネットで申し込みができる宅配タイプもあるので、1週間~10日前後かかっても構わない場合は、検討してみることができます。

服によって価格は異なりますが、通常のクリーニング代金に加えて、シミ抜き料金がかかります。シミの大きさや範囲によって値段が上下するため、クリーニング代金・シミ抜き料金・送料トータルで1500円~8000円前後が必要になるケースもあります。

依頼する上での注意点とは

墨汁の汚れを落とすのは難しく、すべてのクリーニング店が対応しているわけではありません。いつもどおりクリーニングに出す前に、そのお店が墨汁のシミ抜きに対応できるかどうか確認する必要があります。

インターネット等で、近隣のクリーニング店の口コミを調べたり、宅配タイプのクリーニング店をいくつか比較したりして、費用対効果を検討してから依頼することが大切です。

墨汁の落とし方に関するよくある質問まとめ(Q&A)

デニム素材(ジーンズ)についた墨の落とし方は?

デニム素材は色落ちしやすいため、墨を落とす際には注意が必要です。こすりすぎると色落ちや、糸のほつれの原因になるため、優しくこすり洗いするようにしましょう。デニムについた墨汁の落とし方として、4つの方法をご紹介します。

熱湯を使う方法

墨汁は熱に弱いため、熱湯で溶かすことで落とすことができます。熱湯に浸したタオルで墨汁部分をこすり、洗剤で洗い流します。熱湯を直接かけると繊維が傷む可能性があるため、タオルに浸してこするようにしましょう。

歯磨き粉を使う方法

歯磨き粉には研磨剤が含まれているため、墨汁を削り落とすことができます。歯ブラシに歯磨き粉をつけて、墨汁部分をこすり洗いします。歯磨き粉が黒くなるまでこすり、水で洗い流します。

ご飯粒を使う方法

ご飯粒にはデンプンが多く含まれているため、墨汁を吸収することができます。ご飯粒と洗剤を混ぜ合わせ、墨汁部分に塗りつけます。しばらく置いてご飯粒が黒くなったら、水で洗い流します。

中性洗剤を使う方法

中性洗剤は、墨汁を落とすのに適した洗剤です。ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、墨汁部分を浸します。しばらく置いて、水で洗い流します。

マジックリンで墨汁を落とす方法は?

マジックリンは、油脂汚れや水垢などの汚れを落とす洗剤です。墨汁も油脂成分を含むため、マジックリンで落とすことができます。

マジックリンと石鹸を使った落とし方
・マジックリンと水を1:1~2の比率で混ぜる
・混ぜたマジックリンを墨汁のついた部分に塗る
・塗った上から固形石鹸を擦りつけ、揉み洗いする
・汚れが浮いてきたらすすぐ。 汚れが浮かなくなるまで2~3を繰り返す
・最後に通常の洗濯をする

マジックリンは原液だと衣類を傷める可能性があるため、必ず水で薄めて使用しましょう!固形石鹸は、洗浄力が高い食器用石鹸や台所用洗剤がおすすめです。汚れが落ちるまで、1~4の工程を繰り返してトライしましょう。

オキシクリーンを使った墨汁の落とし方は?

オキシクリーンは、酸素系漂白剤の一種で、強力な漂白力と消臭力があります!墨汁は、インク成分である炭素や顔料で構成されており、オキシクリーンはこれらの成分を分解して落とすことができます。オキシクリーンで墨汁を落とす方法として、以下の手順を試してみましょう。

オキシクリーンを使った墨汁の落とし方
・大きめの洗面器や桶にぬるま湯を張ります
・オキシクリーンを規定量溶かします
※オキシクリーンの規定量は、商品によって異なりますので、パッケージに記載されている使用方法をご確認ください
・墨汁のついた衣類を、オキシ水につけ置きします
※つけ置き時間は、汚れの大きさや程度によって異なりますが、1〜3時間程度を目安にしてください
・つけ置き後、衣類をよくすすいでください
・最後に、いつも通りに洗濯します

オキシクリーン使用時の注意点
・酸素系漂白剤の成分が含まれているため、酸に弱い衣類には使用できません
・洗濯表示を確認して、使用できるかどうかを判断しましょう
・色物の衣類には、色落ちの可能性があるため、目立たない部分で試してから使用しましょう
・オキシクリーンは、金属やプラスチックにダメージを与える可能性があるため、金属やプラスチックのボタンやファスナーが付いている衣類には使用しないようにしましょう

また、オキシクリーンは、つけ置き時間が長いほど効果的ですが、長すぎると衣類が傷む可能性があるため、注意して使用しましょう!

キッチンハイターを使った墨汁の落とし方は?

キッチンハイターは塩素系漂白剤なので、墨汁の汚れを落とす効果があります。ただし、色柄物には色落ちの恐れがあるため、白い衣類にのみ使用しましょう!

洗濯機で洗う場合
・洗濯機の洗濯槽にぬるま湯(約40℃)を張る
・ハイターを規定量入れる
・墨汁汚れのついている衣類を洗濯槽に入れ、30分ほどつけ置きする
・通常通り洗濯する

手洗いする場合
・バケツや洗面器にぬるま湯(約40℃)を張る
・ハイターを規定量入れる
・墨汁汚れのついている衣類をバケツや洗面器に入れ、30分ほどつけ置きする
・汚れが落ちるまで、古歯ブラシなどでこすり洗いする
・洗い流す

ハイターは強い洗剤なので、手袋やマスク等を着用しましょう!長時間つけ置きすると、衣類が傷む可能性があります。洗濯槽や洗面器を汚さないように、洗い残しのないようにしましょう。

重曹を使って、時間が経った墨汁の落とし方は?

重曹をペースト状にして使用する方法があります。

重曹を使って墨汁を落とす方法
・重曹と水を1:1の割合で混ぜてペースト状にします
・汚れた部分にペーストを塗り込み、古歯ブラシなどでこすります
・汚れが落ちたら、水で洗い流します

ただし、重曹は研磨作用が強いため、色モノの服やデリケートな生地には使用しないようにしましょう。また、洗濯機で洗う場合は、他の洗濯物と分けて洗いましょう!

ウタマロクリーナーを使って、時間が経った墨汁の落とし方は?

ウタマロクリーナーは、油汚れや皮脂汚れ、食べこぼしなどの汚れを落とすのに効果的な中性洗剤です!墨汁は、水に溶けにくい油性インクなので、ウタマロクリーナーで落とすことができます。

ただし、時間が経ってからの墨汁汚れは、水で流しても落ちにくくなるため、早めに対処することが大切です。時間が経ってからの墨汁汚れをウタマロクリーナーで落とすには、以下の手順で試してみましょう。

ウタマロクリーナーを使った墨汁の落とし方
・墨汁汚れ部分を濡らします
・ウタマロクリーナーを汚れ部分に塗り込み、歯ブラシでこすります
・汚れが落ちるまで、こすり洗いを続けます
・汚れが落ちたら、水で洗い流します

こすり洗いが強すぎると、生地を傷める可能性があるため、注意しましょう!色柄物やデリケートな素材の服には、ウタマロクリーナーを使う前に目立たない部分で試してから行うとよいでしょう。

手についた墨汁の落とし方は?

墨汁は、水にも油にも溶けにくい不溶性の汚れです。そのため、すぐに水で洗い流すことが大切です。手についた墨汁には、以下の手順を試してみましょう。

手についた墨汁の落とし方
・墨汁が乾く前に、水で濡らして落とす
・石鹸や洗剤で洗う
・歯ブラシや古歯ブラシでこすり洗いする
・汚れが落ちるまで、繰り返し行う

石鹸や洗剤で洗う際には、固形石鹸を使用すると効果的です。固形石鹸は、洗浄力が強く、墨汁の粒子を吸着しやすいため。石鹸でも落ちにくい場合は「クレンジングオイル」も少量つけて、試してみましょう!さらに、歯ブラシや古歯ブラシでこすり洗いをすることで、墨汁の粒子を落としやすくすることができます。

机(テーブル)についた墨汁の落とし方は?

墨汁は水に溶けにくいため、すぐに洗い流さないと乾いて落ちにくくなります。また、水洗いだけでは汚れが落ちきれない場合があるため、洗濯用洗剤を使ってこすり落とすのが効果的です。

STEP
墨汁が乾く前に、ティッシュや布で軽く拭き取る

墨汁が乾くと、こすり落とす際に机に傷がついてしまうことがあります。また、乾いた墨汁は水に溶けにくくなるため、先に拭き取っておくことで汚れを落としやすくします。

STEP
ぬるま湯に洗濯用洗剤を溶かし、汚れをこすり落とします

ぬるま湯に洗濯用洗剤を溶かすと、洗剤の洗浄力がアップします。洗濯用洗剤は、少量で十分です。

STEP
汚れが落ちたら、水で洗い流します

洗剤が残っていると、机が変色することがあります。洗い流す際には、水をたっぷり使って洗剤を落としましょう。

机についた墨汁に試したい落とし方
・歯磨き粉をつけてこすり落とす
・ご飯粒をつけてこすり落とす
・メラミンスポンジでこすり落とす
・漂白剤を使う

歯磨き粉やご飯粒には、墨汁を吸着する性質があります。メラミンスポンジは研磨剤の働きで汚れを落とすことができます。漂白剤は、墨汁の色素を分解して落とすことができます。

ただし、漂白剤を使う場合は、机の素材や色によっては変色する可能性があるため、事前に目立たない部分で試してから使用しましょう!

記事のまとめ:墨汁の落とし方について

墨汁は、水溶性と不溶性の性質を持つため、落とすのが難しい汚れです!ポイントは、できるだけ早くお手入れをすることと、洗剤やコツを組み合わせて対処をすることです。

墨汁が付いた部分をこすりすぎると、生地を傷める可能性があるため注意をしながら、掃除を行なってみましょう!

この記事の参考文献

株式会社さくらパレス
ホワイト急便

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