4つの順序で徹底的に!服についた墨汁の落とし方まとめ

習字

筆ペンを使っている時に、誤って服に筆先をつけてしまい、墨汁がシミになることがあります。また、書道の授業の際に着ていた服に、気づかないうちに墨汁が点々とついてしまうケースもよく見られます。

服についた墨汁の落とし方のステップを紹介します。






4つの順序で徹底的に!服についた墨汁の落とし方まとめ


1)そもそも「墨汁」の成分って?

書道の授業で、硯に水を入れて、固形の墨をすって墨汁を作ったことのある方もおられるかもしれませんが、その手間を省くために、最初から液状になっている墨汁を使うことがほとんどでしょう。

一般的に出回っている墨汁は、固形の墨に含まれる天然の煤の代わりにカーボン(炭素)、膠の代わりに合成樹脂が使われていることが多いようです。水を溶媒として、防腐剤、香料、安定剤、浸透剤などの成分も含まれています。

2)服についた墨汁を落とすのに必要なグッズ5選

(1)ご飯粒もしくはでんぷんのり

服についた墨汁を落とすのに必要なアイテムの1つが、ご飯粒です。水と混ぜてペースト状にすると、墨汁がしみ込んだ部分の墨の粒子を吸い出すのに使えます。でんぷんのりでも同じ作用が期待できますので、家にある場合は試してみることをおすすめします。

(2)歯磨き粉

歯磨き粉には、細かい研磨剤が含まれています。繊維の間に入り込んだ墨の粒子を落とすのに効果を発揮します。

(3)クレンザー

歯磨き粉と同様、クレンザーに含まれている研磨剤が、墨汁を落とすのに役立ちます。墨汁の汚れが落ちても、研磨剤が影響して服の生地そのものを傷めたり、色落ちさせたりしてしまう可能性がありますので、目立たない部分で変質や色落ちの有無を確認する必要があります。

(4)使い古しの歯ブラシ

歯磨き粉やクレンザーを使って服についた墨汁を落とす際に、使い古しの歯ブラシで軽くこすります。柔らかいブラシのものを選ぶと、服の生地へのダメージを抑えることができます。

(5)家庭用中性洗剤

キッチン周りを掃除する際に使用する、家庭用中性洗剤を使って、服についたばかりの墨汁を落とせる場合があります。家にある洗剤で気軽に試すことができる方法です。

3)服についた墨汁の落とし方!一般的な4ステップ

(1)STEP1:家庭用中性洗剤と固形石鹸を使う

服に墨汁がついてすぐであれば、まずは家庭用中性洗剤を水で2倍で薄めたものを墨汁がついた部分にしみ込ませ、指で優しくもむようにして洗います。その後、固形石鹸をシミの部分にこすりつけ、再度もみ洗いをします。墨汁の汚れが薄くなるまで何度か繰り返します。

(2)STEP2:ご飯粒もしくはでんぷんのりを使う

服について少し時間が経ってしまった墨汁のシミには、ご飯粒を少量の水で練ったものを使います。5粒前後のご飯粒に水を少量加えて練り、ペースト状になったものを墨汁がついた部分にすりこみます。

同じ作業を、でんぷんのりを使って行うこともできます。繊維の間に入った墨汁の粒子が、ご飯粒のペーストやでんぷんのりに移るまで、数回繰り返して行います。

(3)STEP3:歯磨き粉もしくはクレンザーを使って落とす

墨汁がついた部分を水で湿らせ、使い古しの歯ブラシに少量の歯磨き粉もしくはクレンザーをつけたもので軽くこすり洗いをします。傷みにくい生地の服であれば、歯ブラシで軽く叩くようにして洗い、繊維の間から研磨剤を叩き出すような要領で落とすこともできます。

(4)STEP4:水ですすぎ、通常どおり洗濯する

上記のいずれかの方法を試した後は、服全体を水でしっかりすすいでから、通常どおり洗濯機で洗濯します。

セーター

4)付着する素材別に解説!落とし方の違いとは?

(1)ニット類

アクリルやウール等のニット類は、どちらかといえば墨汁を落としやすい素材です。繊維の間に入った墨の粒子をそっと押し出すように、手指を使い軽い力で洗うのがコツです。

何度も水中で洗うことを繰り返すと、素材の特性上、縮みや変質が起こることも考えられますので、生地が傷んでいないか確認しつつ行います。

(2)ジーンズ

生地が分厚く、外からの刺激に強いジーンズ生地は、洗う際に生地が傷む心配は少ないでしょう。ただ、強い力で研磨剤の入った歯磨き粉やクレンザーでこすったり叩いたりすると、色落ちしてしまうことが考えられますので、事前に目立たない部分で色落ちの有無を確認してから汚れを落とすことが重要なポイントです。

(3)革製品

革製の服に墨汁がついてしまった場合、素材の特性からして水で濡らすことは避けたいものです。レザークリーナーを柔らかい布に少量つけ、軽い力でなでるようにすりこみます。

墨汁の色が薄くなるまで、数回同じ作業を繰り返しますが、やはり事前に色落ちしないかどうか確認してから行うようにします。

(4)綿・ポリエステル

綿やポリエステルのような丈夫な繊維でできたシャツやボトムスは、色落ちに気を配りつつ、上記のいずれかのステップを活用して服についた墨汁の汚れを落とすことができます。

5)墨汁の汚れを落とす場合の注意点とは?

(1)漂白剤は効果がないので使わない

墨汁の汚れを落とそうとして、塩素系もしくは酸素系の漂白剤を試してみたくなるかもしれません。しかし、服についた墨汁は漂白剤で落とすことができないので、使わないようにします。

(2)繊細な素材の服を洗う時は細心の注意を

リネンやシルク等の天然素材、またレーヨンのような、化学繊維の中でも繊細な風合いを持つ素材の服を洗う時には、細心の注意が必要です。墨汁のシミを落とすことはできても、摩擦や刺激によって独特の風合いが損なわれたり、変色したりすることが考えられるからです。

急いでいて、自宅で対応したい時は、裏地などの目立たない部分に洗剤やクレンザー等をごく少量つけて、変色や変質が見られないかどうかチェックしてみます。問題ないようであれば、歯ブラシは使わず、指先を使って洗いますが、軽く押し洗い、もみ洗いをする程度にとどめましょう。

6)応急処置は?墨汁がついた場合にすぐに処置できる方法とは?

服に墨汁がついた場合、できるだけ早く対処すればするほど落としやすくなります。筆ペンを使う機会が多い方や、学校で書道の授業がある日などは、墨汁の汚れ専用に開発されたシミ抜き材を持っておくと、服を汚してしまった時に応急処置ができるので安心です。

インターネット等で、数百円程度で入手できるグッズですので、墨汁を服につけて大変な思いをする前に、携帯する習慣づけをすることがおすすめです。

7)クリーニング店に依頼はできる?

(1)期間・値段の相場とは?

繊細な素材でできた服や、大切な服など、自宅で対処するのが難しい衣類は、シミ抜きに特化したクリーニング店に依頼すれば安心です。インターネットで申し込みができる宅配タイプもあるので、1週間~10日前後かかっても構わない場合は、検討してみることができます。

服によって価格は異なりますが、通常のクリーニング代金に加えて、シミ抜き料金がかかります。シミの大きさや範囲によって値段が上下するため、クリーニング代金・シミ抜き料金・送料トータルで1500円~8000円前後が必要になるケースもあります。

(2)依頼する上での注意点とは

墨汁の汚れを落とすのは難しく、すべてのクリーニング店が対応しているわけではありません。いつもどおりクリーニングに出す前に、そのお店が墨汁のシミ抜きに対応できるかどうか確認する必要があります。

インターネット等で、近隣のクリーニング店の口コミを調べたり、宅配タイプのクリーニング店をいくつか比較したりして、費用対効果を検討してから依頼することが大切です。






まとめ

1)服についたら大変!墨汁の成分とは

2)墨汁を落とすために使えるアイテム5選

3)4ステップで!服についた墨汁の落とし方

4)素材別の落とし方の違いを知ろう

5)繊細な衣類の場合は専門のクリーニング店の検討を